PATENT PENDING · 特願2026-173963 · 2026.07.16 出願

集中しているあいだ
だけ、声が届く。

「オーケー○○」と呼びかけなくていい代わりに、音声やジェスチャの入力は常にオンです。だから、雑談や身振りが勝手にコマンドとして拾われる——誤トリガが起きます。かといって感度を下げれば、今度は本気の入力を取りこぼす。この二律背反を、2つのモダリティの掛け算で解こう、というのがこの発明です。

脳波などの生体信号で「いま操作するつもりだ」という状態を数秒保っているあいだだけ解錠し、その短い有効期間に届いた声やジェスチャだけを実行する。しかも、取り消し言い直しという自然な訂正行動から誤りを勝手に学び、閾値を自動で調整します。

マルチモーダル入力制御装置、入力制御方法およびプログラム / 請求項10・図面6 / 本人電子出願(代理人なし)

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[ 発明のあらまし ]

鍵を「かけ続ける」のではなく、
数秒だけ「開ける」。

常時オンの入力で誤作動を減らす方法は、これまでもありました。起動語を必須にする、視線が向いているときだけ音声を受け付ける、時間帯や場所で閾値を上下させる——。どれも「1本のチャネルを厳しくする」やり方です。厳しくすれば誤爆は減り、そのぶん本気の入力が通らなくなる。避けられないトレードオフでした。

この発明の考え方は逆です。2本のチャネルを、どちらも緩いまま掛け合わせる。片方が単独で誤る確率を p₁、もう片方を p₂ とすると、同じ短い時間窓で両方が同時に誤る確率は、およそ p₁ × p₂。それぞれは寛容なままでも、結合系としての誤トリガは桁で小さくなります。取りこぼしを増やさずに誤爆だけを削れる、というのがここの肝です。

もうひとつが閾値の自動調整。脳波のような民生センサの指標は、人によっても、その日の状態によっても大きく振れます。かといって毎回キャリブレーションを求めるのは現実的ではありません。そこで、やってしまった直後の「取り消し」=誤実行反応しなかった直後の「言い直し」=取りこぼしと読み替えて、利用者に何も聞かずに閾値・保持時間・有効期間を更新します。

🔓

① 保ち続けて、解錠する

瞬間のボタンや視線ではなく、一定時間の保持を意図の裏づけにする。数秒間ずっとその状態でいられるのは、偶然では起きにくい。

🎙

② 別のモダリティで実行する

解錠中の短い有効期間に届いた音声キーワードやジェスチャだけを実行。実行するか、時間が切れれば自動的に施錠。

🔁

③ 誤りを、黙って学ぶ

取り消し=誤実行、言い直し=取りこぼし。訂正行動を暗黙のラベルにして、閾値・保持時間・有効期間を閉ループで更新する。

[ 解決しようとする課題 ]

常時オンの入力が、抱えている3つ。

課題 1

誤トリガと取りこぼしは二律背反。単一チャネルの閾値を上げれば誤爆は減るが、本当にやりたかった入力も通らなくなる。1本の線をどこに引いても、どちらかが悪化する。

課題 2

生体センサの指標は、人ごとにも日ごとにも動く。民生用の脳波センサから得られる集中度のような指標は個人差が大きく、同じセッションの中でも揺れる。固定した閾値では安定しない。

課題 3

校正を求めた時点で、使われなくなる。閾値を合わせるために毎回キャリブレーションをさせたり、「いまのは誤りでした」と入力させたりするのは、利用者の負担が大きすぎる。

[ 仕組み / ARCHITECTURE ]

施錠 → 解錠 → 実行 → 施錠。

解錠しっぱなしにはなりません。コマンドを1回実行するか、有効期間が切れれば、自動的に施錠状態へ戻ります。

① 第1取得部脳波などの生体信号から、集中度/弛緩度の指標を取得(0〜100)
③ 状態制御部:解錠指標が閾値 Th1 を継続時間 Td(初期値1.5秒)連続で満たしたら施錠→解錠。有効期間 Tw(初期値3秒)のタイマ起動
② 第2取得部音声キーワード、または手指の姿勢・屈曲パターンによるジェスチャを検出
④ 実行部解錠中かつ有効期間内に届いたコマンドだけを実行。実行または期間満了で自動的に施錠へ戻る
⑤ 誤り計数部実行直後の取消操作=誤実行/施錠中に無視された後の同じコマンドの再入力=失検出、として暗黙的に計数
⑥ 適応制御部誤実行が多ければ保守的に(Th1↑・Td↑・Tw↓)、取りこぼしが多ければ寛容に(Th1↓・Td↓・Tw↑)。微小ステップで更新
提示部いま解錠中であることを、視覚・聴覚・触覚のいずれかで知らせる(いつ言えばいいかが分かる)
個人ごとの初期値使い始めの一定期間で指標の分布を推定し、閾値をその人の分位点として設定
閾値の配分p₁ × p₂ が目標値以下に収まるよう、2チャネルへ閾値を割り振る(片方に負担を寄せない)
なぜ誤爆が減るのか

処理が動くには、異なる2つのモダリティの条件が、同じ短い時間窓で両方そろう必要があります。単独の誤起動確率が p₁ と p₂ なら、同時に成立する確率はおよそ p₁ × p₂。だから各チャネルは緩いままでよく、取りこぼしを増やさずに誤トリガだけを抑えられます。

[ 図面 / DRAWINGS ]

実際に提出した、6枚。

※ 特許庁に提出した図面そのもの(様式に合わせたグレースケール)。

入力制御装置の機能ブロック図。第1取得部11、第2取得部12、状態制御部13、実行部14、誤り計数部15、適応制御部16、提示部17。 状態制御部の状態遷移図。施錠状態と解錠状態の遷移条件。 解錠の有効期間とコマンド実行のタイミングチャート。 適応制御部による閉ループ処理のフローチャート。誤実行率・失検出率と目標値の比較による閾値更新。 暗黙的な誤りラベリングの判定フローチャート。取消操作を誤実行、コマンド再入力を失検出として計数。 脳波センサ及びマイクを用いたハードウェア構成の一例。
図1 — 機能ブロック図

装置の全体像。解錠を担う第1取得部コマンドを担う第2取得部が分かれ、誤り計数部と適応制御部が閉ループを作っています。

[ 実施例 / IN USE ]

「置いて」が、届く瞬間。

明細書の実施形態より。仮想空間にオブジェクトを生成する操作を例にしています。

意図した操作は、通る

集中を1.5秒保持 → 3秒以内に発話
  • 集中度の指標が閾値を1.5秒連続で上回ると解錠。提示部が「いま受け付けます」と知らせる
  • 有効期間3秒のあいだにキーワードを発話
  • オブジェクトが生成され、即座に施錠へ戻る
  • 解錠していない時間の音声も、コマンドを伴わない集中の揺らぎも、何も起こさない
🔧

間違えたぶんだけ、賢くなる

取り消し=誤実行 / 言い直し=取りこぼし
  • 生成された直後(3秒以内)に消したら、いまのは誤実行だったと記録
  • 反応がなくて(4秒以内に)同じ言葉を言い直したら、さっきのは取りこぼしだったと記録
  • 誤実行が増えれば保守的に、取りこぼしが増えれば寛容に、閾値・保持時間・有効期間を更新
  • 「いまのは間違い」と入力させない——訂正行動そのものが教師データになる

※ 数値は明細書中の初期値の例です。ゲームやエンタメに限らず、手が離せない作業支援、アクセシビリティ、車載や医療など、常時オンの入力で誤起動を抑えたい場面を想定しています。

[ この発明のもと ]

代替入力の実験から、
生まれました。

脳波・音声・ジェスチャといった「キーボード以外の入り口」で、どこまで意図どおりに機械を動かせるか。その実験を続けるなかで、いちばん厄介だったのが誤トリガでした。感度を下げれば使えず、上げれば暴れる。ならば1本で頑張るのをやめよう——という方向転換が、この出願になっています。

要素そのもの(視線で音声を起動する、文脈で閾値を変える、言い直しから誤検出を推定する)は、それぞれ既に公知です。新しいのは、保持による解錠別モダリティでの実行訂正行動からの暗黙学習を一体で回すところ。請求項1は、その組み合わせで書いてあります。

出願

2026年7月16日、特許庁へ本人電子出願。特願2026-173963、請求項10・図面6枚。明細書も請求項も図面も自分の手で。

審査請求

出願から3年以内(2029年7月まで)。組み合わせ発明なので、進歩性が争点になり得ると見ています。

公開

出願から1年6か月(2028年1月ごろ)で公開公報として自動的に公開されます。このページはそれに先立つ本人公開です。

※ 本ページは出願人本人が自らの判断で公開している情報です。識別番号・住所・整理番号・受付番号などの手続管理情報は掲載していません。

MASAFY

キーボード以外の入り口を、
使えるものにする。

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