※ 本ページは出願人本人が自らの判断で公開している情報です。受付番号・識別番号・住所等の管理情報は掲載していません。
いじめ・ハラスメント・社会的孤立といった問題は、ひとりの人を観察するだけでは見えてきません。それは「人と人の間」——つまり関係性のなかで顕在化するからです。一方で、監視カメラは強力ですが、容貌というプライバシーをまるごと取得してしまうため、街じゅうに常時展開するには社会的な抵抗が大きい。
この発明は、その両方を乗り越えます。カメラの可視画像を一切使わず、音響アレイ・ミリ波レーダ・深度センサといった非映像センサで「まわりの状況のコンテキスト」だけを推定する。さらに、心理状態や位置のような機微な情報は端末の中だけで処理し、一般的な提案文の生成のような機微でない処理だけをクラウドの大規模言語モデルに任せる。そして地域サーバが、複数の人の状況を突き合わせて、反復して現れる関係性の異変を予兆として検知します。
音・電波・深度で“気配”だけを読む。顔や容貌は取得しない。
機微な情報は端末内、そうでない処理だけクラウドLLMへ。保護と高度推論を両立。
複数の人の状況を突き合わせ、反復する関係性の異変を予兆として検知。ここが発明の核心。
監視カメラは可視画像を撮るためプライバシー懸念が大きく、常時・広域の展開は社会的受容性が低い。夜間や私的空間では精度も落ちる。
ウェアラブル見守りは本人の生体情報にとどまり、周囲の他者との関係や地域全体の状況を捉える構成がなかった。
地域SNSは本人の能動的な入力に依存し、入力しない人の孤立や、表に出ない予兆を拾えなかった。
高度なAI推論のためにクラウドLLMを使うと、生体・心理・位置といった機微情報を外へ出すことになる。「高度な推論」と「機微情報の保護」がトレードオフになっていた。
そして何より、いじめや孤立は「人と人の関係」に現れるのに、固定設置センサは単一空間に限られ、複数の人にまたがる関係性のリスクを地域という広がりで横断的に捉える仕組みが存在しなかった。
目の不自由な人が音の反響で周囲の人や物の位置を把握するように、この発明は容貌などのプライバシー情報を取らずに、状況のコンテキストだけを抽出します。
※ 出願図面(図1〜図5)に基づき再構成した概念図です。
独立項(請求項1・8・9)と、それを段階的に限定する従属項(請求項2〜7)で構成。出願書類の文言に基づいて掲載しています。
複数の利用者の各々に装着又は携帯される複数の端末装置と、通信網を介して接続される地域サーバとを備える社会行動支援システム。
機微度を判定する判定部を備え、機微度が閾値以上の情報の推論は端末装置内で、閾値未満の情報の推論は通信網を介したクラウド上の大規模言語モデルに実行させる。
第1推論部は、音響アレイの位相差・ドップラーシフトと、ミリ波レーダの反射に基づく点群の少なくとも一方を入力とし、可視画像を生成することなく、周囲の人物の位置・移動方向・人数の少なくとも一つを推定する。
解析部は、各端末で学習したモデルパラメータを原データを送信させずに統合するフェデレーテッドラーニングを実行する、又は匿名化部が機微情報に差分プライバシーに基づく雑音を付加する。
リスク指標が第1閾値を超えたら利用者端末へ是正的な行動提案を提示し、第2閾値を超えたら匿名性を維持したまま医療・行政・警察の少なくとも一つへアラートを送信する。
利用者の行動傾向・関心の特徴量から、近隣の他の利用者や地域活動との親和度を算出し、基準を満たす交流機会を推薦する推薦部を備える。
通知制御部は、イヤフォンの音声ガイダンス・ウェアラブルの振動・携帯端末の画面表示の少なくとも一つで、行動提案を利用者に提示する。
同システムを用いる社会行動支援方法。非映像センサからの対人的シーンコンテキスト推定/端末内匿名化/地域サーバによる利用者間突き合わせとリスク兆候検出/選択的通知の各ステップを含む。
コンピュータに、請求項8の社会行動支援方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
放課後、生徒Aの周囲で特定の生徒群との近接時に緊張状態(心拍上昇・声の強度上昇・後退姿勢)が反復して検出される。解析部がその関係のリスクスコア上昇を検知し、第1閾値で本人端末へ相談先を提案、第2閾値で匿名化したリスク類型と学区情報を学校・教育委員会へ通知する。
利用者Bについて、対人的シーンコンテキスト上、他者との近接・会話が二週間検出されない。解析部が孤立兆候スコアの上昇を検知し、第1閾値で本人端末へ近隣の交流活動を推薦(共助マッチング)、第2閾値で見守りの関係機関へ匿名アラートを送る。
可視画像を取らないため、被撮像者のプライバシー懸念を抑えつつ、広域かつ常時の状況把握ができる。
機微情報は端末内で匿名化、機微度に応じて推論先を切り替えるため、保護とLLM活用が両立する。
地域横断の解析で、個人の生体情報だけでは見えない関係性リスクや地域の異常兆候を早期に検知し、能動的に介入できる。
明細書も、9つの請求項も、5枚の図面も、先行技術調査も——すべて自分で書き、インターネット出願ソフトとマイナンバーカードの電子署名で特許庁へ送信しました。電子証明書の確認に開庁日をまたぐといったハマりどころも越えて、2026年6月29日、出願完了。
この発明の原体験は、日々の対話のなかにありました。「テクノロジーで、人と人の関係をそっと支えられないか」——その問いを、権利という形にして残した一件です。
出願公開。公開特許公報に掲載され、誰でも内容を閲覧できるようになります。
出願審査請求の期限。出願から3年以内に審査を請求します(個人の減免制度の活用も検討)。
この発明や、セキュリティ × AI × ものづくりの取り組みについてのお問い合わせは、お気軽にどうぞ。